いや~、久しぶりに観てしまった寅さん。登場してくる俳優も皆んな歳とったな。そりゃ何十年も前からやってるから歳とるのも当たり前か。しわくちゃになった倍賞千恵子、いぶし銀のような前田吟。
かっては美少女の後藤久美子、それぞれが年輪を刻んで登場。渥美清が亡くなってから既に何年がたつのだろうか。かっての主演が亡くなっても映画をつくってしまう山田洋二郎監督。家族や友達との人間模様を上手く描き出す才は相変わらず。人それぞれに重い荷物を背負いながらも交錯する人間関係の中を人はそれでも希望をもって生きていく。人間のしがらみをストーリ-にするのは簡単だと言ってた山田監督お手芸の映画の再現だった。この何十年ものシリーズ映画を観る人は、又それぞれ、男はつらいよの何十作の時間の流れと自分の人生の時間の流れを重ね合わせながら、映画のシ-ンのそこそこにその追憶を重ねて思い出しながら観てしまうだろう。作品の質はともかく、シリーズの年輪だけで魅入ってしまいそう。